野球はセンターラインが重要と言われる。その最も要となるのが遊撃のポジション。今年でプロ15年目を迎えるソフトバンク今宮は、新スタイルの打撃を武器に、自慢の守備とともにキャリアハイの数字を目指してシーズンを駆け抜けるつもりだ。

「ニュー今宮じゃないと競争に勝っていけないですからね」

宮崎キャンプも残り3日。ランチ特打を終え、室内練習場に足を運ぶと、打撃マシンを相手に黙々とバットを振った。

「どうしても右手が強く、ひっかけるクセがあった。バットの面をまっすぐに出すことや、右手を強くこねないようにしっかり打ち返すようにスイングを変えています」

1月の自主トレは体力強化もあって、打撃フォームを気にせず思い切り振り込んだ。キャンプインからは180度方向転換。バットをこねないようにセンター中心への確実なミート打撃に変更した。

きっかけは昨シーズン中の近藤との雑談からだった。ゴルフのドライバーショットの話題。ロフトの立ったドライバーもしっかりフェース面を意識して打つ…。そんな近藤のひと言から自らの野球スイングにも応用しようと考えたという。

「シーズン中にはなかなかスイングを変更できないんで、このキャンプからやろうと思って」

室内のマシン打撃は徹底して正面に打ち返すことを繰り返した。

効果は実感しつつある。2試合の紅白戦で6打数2安打。打率3割3分3厘の数字もさることながら2戦目の3打席目は無死一、三塁で左腕渡辺佑から一、二塁間を割る右前タイムリー。「今までのように右手をこねていたらあの打球にはなっていなかった」と納得の一打となった。

「守備の人」として7年ぶりのゴールデングラブ賞はもちろん、自身初の打率3割到達でベストナインのダブル受賞が目標だ。

「まだ紅白戦も2試合だから、いいのかどうかは分かりませんが…。3割は打ちたい」

山川、ウォーカーの加入で強化した打線にあって、今宮が15年目の変身でいぶし銀の活躍を誓っている。【佐竹英治】