西武のレジェンド右腕が「登板」への準備を進めている。レジェンド右腕とは渡辺久信GM(58)だ。10日、DeNAとのオープン戦(横浜)前のグラウンドに登場し、スタッフとともに数分間キャッチボールを行った。「肩痛いんだよ」と笑いながら、しっかり“決戦”への練習を行った。

16日に球団OBによる紅白戦「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」が、本拠地ベルーナドームで開催される。78年に「西武ライオンズ」が誕生し、23年に生誕45周年を迎えた。球団史を振り返るイベントの一環として、球団史上初のOB戦が実現する。

渡辺GMは2月の春季キャンプ地、宮崎・南郷で少しずつ練習を重ねてきた。選手たちが練習するグラウンドのブルペンで、グラブを手に投球練習をする姿が何度も見られた。83年にドラフト1位で入団し、86年に16勝、88年に15勝、90年には18勝を挙げ、いずれも最多勝に輝いている。試合が数日後に迫ったが「ちょっとね、格好にはなってきたけど、ボールがダメ」と苦笑いを浮かべた。

試合当日は80、90年代の黄金時代の選手らが、創設当時のデザインのユニホーム(ホーム、ビジター)を着用して試合に臨む。渡辺GMは5日、ベルーナドームで行われたチームの練習中に、マウンドからホームベース側を見つめる姿もあった。「半分ぶっ壊れてるからさ。なんとか、なんとかごまかして投げなくちゃいけない」とやや控えめに決意をにじませる。

16日、チームは福岡でソフトバンクとのオープン戦が組まれている。レジェンドたちの貴重なプレーを直接目にはできないが、渡辺GMには後日、右腕を振ったご感想をぜひともうかがいたい。【西武担当=山崎純一】

DeNA対西武 キャッチボールする西武渡辺GM(撮影・鈴木正人)
DeNA対西武 キャッチボールする西武渡辺GM(撮影・鈴木正人)
DeNA対西武 キャッチボール中、肩を回す西武渡辺GM(撮影・鈴木正人)
DeNA対西武 キャッチボール中、肩を回す西武渡辺GM(撮影・鈴木正人)