阪神にドラフト2位で指名された今朝丸裕喜投手(18)が、なんとも意外な歴史を刻んだ。報徳学園在学中の選手が阪神にドラフト指名されたのは、史上初である。
春夏通じて39度の甲子園出場を誇る伝統校と、90年の歴史を持つ老舗球団。ともに兵庫・西宮市に校舎と本拠地を構え、約6キロしか離れていないご近所さんだ。1965年(昭40)のドラフト導入後、60年目にして初めて縁がつながった。
高校からの直接入団という枠を外しても、阪神で公式戦に出場した同校OBは1人しかいない。関学大-鐘淵化学を経て70年ドラフト1位で入団した、谷村智啓投手だけだ。在籍9年間で56勝を挙げ、後に阪急(現オリックス)へ移籍。今朝丸が1軍戦に出場すれば、報徳学園からは球団2人目となる。
関西の古豪でありながら、阪神へ直接ドラフト入団選手の少ない高校はほかにもある。
◆PL学園 01年4巡目で入団した、桜井広大外野手が唯一。09年に12本塁打し期待を集めたが、故障のため実働4年に終わった。ほかに71年8位で谷口善章投手を指名したが、入団拒否。78年4位で谷松浩之外野手、そして85年には清原和博内野手に1位入札も、いずれも抽選で外れた。名門野球部が復活し、2人目が現れる日は来るか。
◆東洋大姫路 86年2位で獲得した、嶋尾康史投手のみ。188センチの本格派として期待を集めたが、通算3勝に終わったのが惜しまれる。現在は個性派俳優として活躍するという、異色の転身を果たした。
◆育英 05年高校生ドラフト3巡目の若竹竜士投手しかいない。阪神では通算8試合の登板にとどまり、今成亮太捕手との交換トレードで日本ハムへ移った。
ところで阪神へ、名字に「丸」という漢字を使う選手がドラフト入団するのは43年ぶり2人目だ。81年1位の源五郎丸洋投手は、大分・日田林工から入団。故障のため1軍戦登板のないまま引退した。
野手ではドラフト以前に、丸岡武外野手が51~52年に計28試合に出場したのみ。よって「丸」のつく投手が登板すれば、阪神初となる。
今年のドラフトで阪神は、1位で金丸夢斗投手(関大)に入札も抽選で外れた。大卒と高卒の違いこそあれ、プロ入り同期で「丸」つながりのライバルだ。いずれはファンが目を丸くするような投球を見せて金丸と競い合い、母校の名をも高めてほしい。
【記録室 高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)




