右のエース有原、左のエースモイネロは好調を維持。山川、柳田、近藤の中軸打者も故障なく大きなレギュラーシーズン本番を迎えた。リーグ連覇に向けて順風満帆とも思えた小久保ホークスだったが、まさかの“誤算”も生じた。
広島とのオープン戦最終戦後に小久保監督がゲキを飛ばした。「あの数字はレギュラーじゃない」。打率1割台に沈んだ正木をバッサリ。栗原の故障で開幕5番を任されるはずが「撤回」と白紙にまで戻した。正木も悔いる思いが多々あった。開幕までの全体練習では居残り特打に励み、力みすぎていた打撃スタイルを見直していた。
個人的には指揮官の怒りはいい刺激になると思った。ソフトバンクは12球団トップクラスの選手層を誇りながら、若手の突き上げは最大の課題。小久保監督がよく熱弁するのは、昨シーズン最もバットを振り込んでいたのは山川と近藤だったという事実だ。山川は本塁打と打点の2冠、近藤は首位打者とMVP。今でこそ群を抜く実力を持つが、背景には徹底された練習量がある。若手は結果で見返せばいい。
名指しされたのは正木だけだったが、開幕2軍スタートになった笹川や柳町にも小久保監督は同じことを思ったのだろう。現役時代は「練習の鬼」として「野球の実力はないけれど、練習を嫌いにならない実力はある」との名言もみずほペイペイドームの選手通路に記されている。与えられたチャンスを「必ずつかんでやる」と死に物狂いでアピールする若手の台頭を望んでいる。
小久保監督は広島戦後に「長く強いチームを作る環境を整える」と自身に課せられた難題についても話した。柳田、山川、近藤、今宮、中村ら主力は30代で、いずれは引退を迎える。次世代のソフトバンクを支えるのは…? 冷静な指揮官が自ら報道陣に語った苦言の連発を無駄にしてはいけない。
今季も優勝候補のソフトバンク。その中で若手は何を見せてくれるのか楽しみだ。レギュラーシーズンがいよいよ開幕する。【ソフトバンク担当=只松憲】




