<西武3-2オリックス>◇17日◇京セラドーム大阪
西武は6回に同点とされ、先発上田からマウンドを託され、後続を切った2番手の黒木優太投手(30)が移籍後初勝利を挙げた。チームは首位オリックスに連勝し、単独3位に浮上した。
忘れられない出来事がある。23年9月中旬。京セラドーム大阪で、当時黒木が在籍したリーグ制覇間近のオリックスに助っ人で取材に参戦していた時のメモを引っ張り出した。
その半月後の10月2日、黒木が高校時代から応援してやまない歌手倖田来未の始球式が決まり、黒木に心境を尋ねた。「クミコさんらしく、見ている人を楽しませる始球式にしていただけたら…。ストライク入る、入らないではなく、見ている方にエンターテイナーの倖田来未さんらしさを」。黒木は始球式のサポートも模索していたようだった。
「もう、リスペクトですよ」。交流は入団時、ファンと公言。大阪でのライブに参戦した際は、楽屋へあいさつした。お互いを「クミコさん」、黒木も「親しみを込めて呼んでもらっている」と「優太」と呼ばれる間柄だった。
「クミコさんでお願いします」。原稿上での表現は「倖田さん」と表記すべきか質問したところ、このように回答された。黒木と倖田さんの信頼関係がうかがえた一言だった。「ずっと始球式は行きたいと聞いていたんですよ」。始球式前日の同1日に先発した黒木は2回5失点で降板し、当日はまさかの不在だった。始球式後の倖田は「今日おらへんやん」とがっくり。だが「個人的にも応援していきたい」と明るいまなざしで語っていた。
オリックス時代から現在まで、登場曲は倖田が黒木のために書き下ろした「It‘s “K” magic」を使用。23年秋にかなわなかった、憧れの人との幻のコラボ。今季、黒木が1軍定着となれば、きっと再会のタイミングが訪れるはずだ。【遊軍 中島麗】




