<楽天3-8ソフトバンク>◇24日◇楽天モバイルパーク

呪縛を解いたと言ったら大げさか。杜(もり)の都でソフトバンクが連敗を4で止めた。本拠地でオリックスにまさかの4連敗。連覇へ牛歩の行進だったが、流れは変わった。

初回。1番柳田から3連打で無死満塁。必勝の扉を開いたのは4番中村のバットだった。オリックス4連戦では満塁イニングが6度もありながら無得点に終わっていた。「(オリックス戦で)満塁で得点できていなかったし、プレッシャーを存分に感じながら打席に入りましたね」。初球は見送った。2球目。チェンジアップを中村は強引に引っ張った。快打とはならなかったが二ゴロの間に三塁走者の柳田が生還。「早めに前に(打球を)飛ばしたかったから」。重圧を感じながらも、早いカウントから積極的にバットを振った。続く5番柳町も左犠飛。初回に2点を先制した。この日、チームは計8得点で快勝。中村の一打がV打となった。

中村にとって3試合ぶりの先発4番。今季38試合目の「主軸」での出場も、気持ちは相変わらずの平常心だった。「僕の場合は送りバントもありますし、特に4番打者という意識はありません。4番目に打つ、というくらいの気持ちですかね」。6回1死二、三塁から中犠飛で2打点目。「4番目の打者」はきっちり、仕事を果たした。

開幕直後からチームは故障禍に見舞われた。開幕前に「代打の切り札」としての役目を小久保監督と確認し合った中村だが、チームの窮地に立場がガラリと変わった。1度はあきらめていた通算1500安打も8月26日の楽天戦(弘前)の3号ソロで決めた。「とにかく優勝したいんで。それだけですね」。9回の第5打席は楽天泰の148キロの直球を中前にはじき返し、快音を響かせた。「明日につながる打撃をしたかったんでよかったです」。2年ぶりの規定打席到達も手が届くところまで来た。

笑顔も見せず、武骨な男はVゴールまで淡々と仕事をこなしていく。

楽天対ソフトバンク 1回表ソフトバンク無死満塁、中村の二ゴロで生還した柳田(撮影・たえ見朱実)
楽天対ソフトバンク 1回表ソフトバンク無死満塁、中村の二ゴロで生還した柳田(撮影・たえ見朱実)