快晴のもとで阪神の優勝記念パレードが大阪・御堂筋で開催された22日、兵庫・尼崎市のSGLでは若手選手が練習していた。十数人の顔ぶれの中に、岡留英貴投手(26)がいた。大粒の汗を額に浮かべ、傾斜を使った下半身のトレーニングに励んでいた。
2日前、100万円減の推定1900万円で契約を更改。「ファームでしっかり準備はしたけど、1軍の中継ぎ陣に入り込めなかったというのが一番。真っすぐの質とか変化球の精度だったり、もう1ランク、2ランク上がらないと今の中継ぎ陣では食い込めない」と、今年味わった悔しさをあらわにしていた。
50試合連続無失点の石井、18試合連続ホールドの及川がいて、24年最優秀中継ぎ投手の桐敷や岩貞、湯浅、ドリスら実力者がいる。先発から守護神・岩崎につなぐまでの中継ぎ陣は球界屈指。SGLの練習後も「特徴を伸ばしていかないと、1軍と2軍を行ったり来たりの状況は変わらない。ぼくなら投球フォームが特徴になるはず」とやるべきことを挙げていた。
1軍に定着できない立ち位置に葛藤を抱えていたであろう今夏の甲子園大会中、何度か岡留の姿を見かけた。母校・沖縄尚学の試合を観戦していた。「純粋に母校を応援する気持ちで行ったのですが、やっぱり後輩の頑張る姿に刺激をもらいました」と声を弾ませ、沖縄尚学野球部での2年半を振り返った。「(監督の)比嘉先生には『人としてちゃんとしなさい』と厳しく指導されました。あいさつや身の回りをきちんとすることの大切さです。大事なことを教えていただきました」。野球技術の向上以外に日常に手を抜かない姿を、見る人は見てくれている、ということも恩師は教えていたのだろう。
帰り際、フェンスごしに練習を見ていた男性ファンに「岡留さんとお話しできましたか?」と声をかけられた。「はい」と答えると「それはよかったですね」と言ってくれた。優勝記念パレードのこの日は、ファンにとっても25年の思い出を作る晴れの日。なのに御堂筋ではなく、SGLの練習を見に来てくれるファンがいる。見る人は見てくれているのだな、と感じた。【阪神担当=堀まどか】




