「金の卵に刮目(かつもく)せよ」と題し、プレミア12に出場する各国の注目株を紹介する。

ドミニカ共和国代表のおもな選手
ドミニカ共和国代表のおもな選手

ドミニカ共和国の野球界は、代表チームをめぐり大きな盛り上がりを見せている。大々的な記者会見で代表メンバー発表を行い、国内企業とのスポンサー契約も結んだ。

メキシコで行われる第1ラウンド開始の1週間以上前には、大会の先発ローテまで記者会見を開いて発表した。国内のオリンピック(五輪)委員会と野球連盟が強い協力関係を築き、このプレミア12で東京五輪出場権を獲得しようと一丸になっている。

発表された先発ローテ1番手は、メジャー経験があり今季中日でプレーした左腕エンニー・ロメロ(28)。2番手がエンゼルスやツインズなどメジャーで15年プレーし通算149勝を挙げた右腕アービン・サンタナ(36)。3番手がジャイアンツ傘下2Aリッチモンドに所属する有望株右腕カルロス・サノ(26)だ。ドミニカ共和国といえば伝統的に打撃は強力だが投手力に難のあるチームのイメージだったが、今回は投手力をそろえることに力を注いだ。

8月、広島戦の6回に力投する中日ロメロ
8月、広島戦の6回に力投する中日ロメロ

リリーフ陣は、抑え3人態勢を組んだ。レンジャーズなどメジャー5球団で9年間プレーし、通算107セーブを挙げる右腕ネフタリ・フェリス(31)とインディアンス傘下2Aアクロンに所属し156キロの速球を持つ右腕デルバート・シリ(24)。巨人でプレーした右腕サムエル・アダメス(25)も加わる。中継ぎにも、パドレス傘下1Aでプレーし153~155キロの速球を持つ右腕ヘンリー・ヘンリー(20)ら能力の高い若手がそろう。

攻撃陣で一番の大物は、メジャー5年の経験があり楽天で3年プレーしたカルロス・ペゲーロ外野手(32)だが、無名でも好打者、強打者がいる。

若手有望株では、インディアンス傘下1Aに所属するオスカー・ゴンザレス外野手(21)がいる。16年にルーキーリーグのMVPに輝き、パワーと強肩が光る。ダイヤモンドバックス傘下1Aのジェラルド・ペルドモ内野手(20)は、この若さで球団傘下の有望株ランキングで6位に評価されている将来のスター候補。ツインズ傘下1Aのギルバート・セレスティーノ外野手(20)は、俊足強肩で評価が高い期待の若手だ。

代表チームのホセ・ゴメスGMは、10月23日の会見で「我々はベテラン選手と日本や韓国で活躍する選手、期待の若手が融合した優れたチーム」と自信を示し、国内ファンや関係者に五輪切符の獲得を誓っている。気合が入っている分、大きなプレッシャーも背負って大会に臨む。(この項おわり)【水次祥子・山下翔悟】