お笑いコンビ、さまぁ~ずの三村マサカズ(54)に聞く「侍を語ろう」の後編。今回の五輪代表になれずとも“三村ジャパン”で見たい選手がたくさんいた。その思いも込めながら、侍ジャパンに夢を託した。【取材・構成=広重竜太郎】

インタビューで笑顔を見せる三村マサカズ(撮影・河田真司)
インタビューで笑顔を見せる三村マサカズ(撮影・河田真司)

三村は代表24人に選ばれなかった候補選手にも思いをはせ“ツッコミ”を入れた。

三村 千賀はケガですもんね。今永は復帰したて。宮城、早川、則本昂って、もったいない…。あれ涌井は選ばれていないんですか? 松井も入ってない…。周東の代わりは誰がやるのかな? 佐藤輝もいろんな面を見ると、外れちゃうんですね。まだ粗さがあるから国際試合で1回スランプになると長そうという意味で。あと熱男も! 本当はベンチにいて「国際試合はこういうものだから!」とやってほしかった。

ソフトバンク松田の希少性は侍ジャパン稲葉監督も世界一を遂げたプレミア12でも強調していた。バラエティー番組でも重宝されるポジションだ。

三村 ガヤ芸人? そうなんですよ。ムードメーカー。経験豊富で結果、代打松田のホームランで決着をつけたとかありそう。選手枠きついな~、これ。泣く泣くですね、稲葉監督も。

情も捨てて、ともに戦った選手を1人1人そいで臨むのが五輪。08年北京五輪以来の競技復活に、ファンも重圧を感じる。

三村 五輪は何か金メダルが取れないイメージがある。G・G・佐藤のエラーもあるから、出る人はリスクが大変ですね。それ以降、調子を崩すとかあるし。五輪はそれぐらい異様な空間だと思う。いいことありましたっけ、五輪で?

ミスターが病に倒れ、闘将星野監督の夢も散った。WBCでファンの留飲は下がったが、公開競技だった84年ロス五輪以来、金メダルには手が届かない。

三村 反省もすべて踏まえて稲葉監督がプレミア12で優勝した。あの感じで臨めば、たぶん金メダルいけるんですよね。外野の守備も安定して捕れる人を選んでいると思う(笑い)。大舞台に強い人をよく見て選んでいる気もする。だから野球に関しては非常に安心しています。楽しみだけですね。

ツイッターで日常をつぶやくことがある。

「なんか昔悪くて今は更正しました。がよく注目を浴びますが、ずっと真面目にやって今も真面目にやってる人に幸あれ」

「緊張とかなにそれとか言ってる人は天才か、本気じゃない人なんだなぁ。天才はそんなにいないんだなぁ。みむを」

真理を突き、奥に潜む人情味があふれる。最後にお願いをした。“みむを”として侍ジャパンにエールを。

三村 「このメンバーで普段の野球をやれば金メダルなんだよ。だけど普段って何だ? と考え出したらきついよね」というのはどうですか? でもこれ、プラスにもマイナスにも取られちゃうか…。

言葉を何度も選び、言い換えた。

みむを 普段通り…もうちょっと励ましに寄りましょう! 「普段通りやれないのがオリンピック。だけど普段通りやれば金メダル」。これはどうでしょう? みむを、うまく言えたかな?(笑い) という感じですが、そういう気持ちで戦っていただきたいです。(敬称略、この項終わり)

◆三村マサカズ(みむら・まさかず)1967年(昭42)6月8日、東京都生まれ。88年、高校時代からの親友の大竹一樹とお笑いコンビ「バカルディ」結成。00年、テレビ番組で海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)と3段跳び、重量挙げ、パン食い競走の3種目競技で負け、罰ゲームとして「さまぁ~ず」に改名。半年間限定の企画だったが、売れて定着したため、そのまま名乗っている。「モヤモヤさまぁ~ず2」(テレビ東京系)「さまぁ~ず論」(テレビ朝日系)など冠レギュラー番組を持つ。