WBC開幕まで2カ月を切った。米国やドミニカ共和国など強豪はこぞってトップ選手をそろえたドリームチームを結成し、前回覇者の侍ジャパンに向かってくる。そんな各国の選手たちは、WBCにどんな思いで臨み、日本代表をどう見ているのか。代表入りが見込まれる選手たちに話を聞いた。第1回は、通算264本塁打を誇る米国のピート・アロンソ内野手(31=オリオールズ)。

2019年7月、オールスターの本塁打競争で優勝し、トロフィーを手に笑顔を見せるメッツ・アロンソ
2019年7月、オールスターの本塁打競争で優勝し、トロフィーを手に笑顔を見せるメッツ・アロンソ

米国が決勝まで進出した23年の前回大会で、貴重な働きをした1人がアロンソだ。次回大会に向けては、まだ正式な代表入りは発表されていないが、それでも「今度こそ優勝したい。野球にとってとてつもなく大きな意味を持つイベントだし、また出場できたら最高だ」と公言し、出場に意欲を示している。

前回大会ではベネズエラとの準々決勝で、8回無死一塁に代打で登場。右前打を放ってチャンスを広げ逆転勝利に貢献した。キューバとの準決勝ではDHでスタメン出場し、3回に左前適時打を放ち、14-2の快勝につなげた。「WBCでプレーしたことは本当に特別な経験だった。世界のさまざまな国や地域の出身選手みんなが、母国の思いを背負って戦うことに誇りを持っていることを試合を通じて実感できた」と振り返る。さらに「プレーオフと同じで、こういう大舞台の試合はクセになる。1度経験したら、もっとやりたいという思いが強くなる。プレッシャーが重くのしかかる緊迫した場面に自分の身を置きたいと願う。プレッシャーの中でプレーできるのは名誉だ」と望んだ。

日本との決勝では出番が回らず、2-3の僅差で惜しくも優勝を果たせなかった。それでも、米国が1点リードされた9回2死でマイク・トラウトが抑えとして登板した大谷翔平に空振り三振を喫して試合終了となった瞬間は、米野球史の中でも長く語り継がれる名場面となり、多くのファンを魅了した。アロンソは「日本との決勝は、僕らにとっては最高の結果ではなかったけれど、素晴らしい試合だった。あの場面でマイク・トラウトには打ってほしかったが、ショウヘイのあの最後の1球は見事に制球されていたし、彼が素晴らしかった。日本にとっては素晴らしい結果だったし、素直にたたえたい」と話した。

日本代表の印象を「非常に能力の高い選手がそろっていた。次はもちろん、僕らが倒せると思っているが、再び対戦するとしたら、また紙一重の戦いになるのではないかな。日本代表は優れた選手が多い上に、コーチ陣もそつがない。打撃、投球、守備どれをとっても穴がない印象だった」と称賛しながら語った。

ただ、こう言い添えた。「だが米国チームも同じだ。次の大会は特に、本当に素晴らしい選手がそろう。何としてでも勝ちたいと、みんなが強い思いで臨むよ」。主将を務めるヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(33)や、昨季60本塁打を放ったマリナーズのカル・ローリー捕手(29)らを擁するスター軍団と侍ジャパンの再戦が実現すれば、また歴史的な名勝負が繰り広げられそうだ。【水次祥子】(つづく)

2024年10月、ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦で3点本塁打を放つメッツ・アロンソ
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