10月22日に行われるドラフトまで残り1日となった。今回で最後のアマチュア野球特集は「指名を待つ男たち」で、運命の日に立つ社会人、大学、高校の計3人を紹介する。

  ◇  ◇  ◇

「長打力が持ち味」と話すヤマハ清水智裕捕手(24=中部大)は今夏、自身を見つめ直す期間があった。

チームは昨年まで7年連続で出場していた都市対抗野球の代表権を今春の予選でつかめず。ヤマハからは13人が補強選手として他チームに派遣されたが、清水は残留組でミニキャンプへ。「毎日一緒のことを、ずっと続けてきつかったです」。自らに1日500スイング超を課し、人数不足で紅白戦は不可能なため少人数の実戦形式で感覚を養った。

巨人木佐貫洋スカウトは「パンチ力のある打撃型捕手」と評する。「中部大の頃から気をつけて見ています。他の守備位置よりも頭を使う重労働で打撃の状態を維持することが難しい中、頑張っていますよね」と続けた。

今秋の日本選手権東海地区最終予選では全6試合に4番で、打率4割7分8厘、2本塁打と絶好調だった。「バットを振るだけでも嫌だなと思われて、ボールに当たれば怖いなと嫌がられる打席を作りたい」。大学はリーグ通算14本塁打を誇る強打者だが、チーム内には「いいバッターが多い」と競争が激しい。なかでも今夏の都市対抗で補強選手として西濃運輸に派遣された前野幹博外野手(31=PL学園)は投打に活躍して同大会MVPの橋戸賞に輝いた。恵まれた戦力を抱える社内の競争をへて清水は4番を勝ち取った。

中学時代から読書家。長距離移動を伴う遠征時は小説を持参し、休日には喫茶店で読書を楽しむ。「自分のやることさえやれば打てます。常に自分のスイングができる準備を怠らないようにしています」。念願のプロ野球への扉を開く。【中島麗】

◆清水智裕(しみず・ともひろ)2002年(平14)5月25日生まれ、愛知県春日井市出身。松山小時代に松山ルーキーズで野球を始め、西部中時代は長久手ボーイズでプレー。大垣日大では3年夏の20年県独自大会で優勝。中部大では主に4番として活躍し、3年の23年に全日本大学野球選手権に出場(2回戦敗退)。大学通算14本塁打。25年ヤマハに入社。181センチ、95キロ。右投げ右打ち。

2月15日、ハヤテとのオープン戦で適時二塁打を放つヤマハの清水智裕
2月15日、ハヤテとのオープン戦で適時二塁打を放つヤマハの清水智裕