日本ハムの松本剛外野手(29)が打率3割4分7厘で、プロ11年目にして初の首位打者を獲得した。過去10年で規定打席到達は17年の1度だけで、打率3割は今回が初めて。11年目以降に首位打者は14年糸井(オリックス)以来で、初の首位打者が11年目以降は史上12人目だった。過去の11人を見ると、ほとんどの選手がそれまでに3割を経験。松本剛のように10年以上も3割経験がなかった選手の首位打者は83年真弓(阪神)以来、パ・リーグでは初の珍しいケースだった。

【イラスト】初の首位打者がプロ11年目以降の選手
【イラスト】初の首位打者がプロ11年目以降の選手

首位打者に輝いた要因の1つは、追い込まれても高打率を残せたことだ。今季の2ストライク時の打率は178打数52安打の2割9分2厘で、両リーグトップ。一般的に、カウント別では2ストライク時が最も打席が多く、追い込まれてからの打撃がカギになる。実際に、2ストライク時の打率が1割台で首位打者になった選手は2リーグ制後では1人もいない。

【イラスト】今季の2ストライク時打率ランキング
【イラスト】今季の2ストライク時打率ランキング

松本剛の同打率はリーグ断トツで、2位の鈴木大(楽天)に4分9厘差。これだけ2ストライク時に大差をつけたのは、97年イチロー(オリックス=3割3分)が片岡(日本ハム=2割7分4厘)に5分6厘差をつけて以来だった。また、2ストライク時の打率2割5分以上がリーグで1人以下だったのは11年のセ・リーグ以来、2リーグ制後では9度目。他の選手が例年以上に成績が伸びなかった中で大きく差をつけたことが、首位打者につながった。

【イラスト】2ストライク時の打率2割5分以上がリーグ1人以下
【イラスト】2ストライク時の打率2割5分以上がリーグ1人以下

11年目以降に首位打者を複数回獲得したのは、4度の張本(日本ハム)と王(巨人)、3度の川上(巨人)の3人しかいない。再び首位打者をとるのはかなり高いハードルともいえるが、今季のようなスタイルでレジェンドたちの記録に挑戦してほしい。【多田周平】