巨人が首位広島に3連戦3連敗した。野球評論家の西本聖氏にテレビ観戦でこの3連戦を分析してもらった。

 -巨人が昨季7勝18敗と苦手にした広島に3連敗。今季もこれで対戦成績は2勝8敗となった

 西本氏 勝負の世界には流れがある。3連戦の頭となった26日の第1戦。この試合が流れを決めてしまった。

 -巨人はドラフト1位ルーキーの鍬原が先発。1回表に4点を先制してもらったがその裏に松山に満塁弾を浴び4失点。結局3回途中7失点で降板した

 西本氏 第1戦の先発が鍬原だと聞いた時「えっ」と思った。鍬原で大丈夫か? というのが率直な気持ちだった。交流戦のソフトバンク戦でプロ初勝利を挙げた勢いに期待したのだろうが、新人にはその期待が大きなプレッシャーになる。鍬原が悪いというわけではないが、ここは田口に任せて欲しかった。今季はまだ2勝とはいえ、昨年、一昨年と2桁勝利を挙げた投手。16日のロッテ戦も負け投手になったものの8回を1失点で完投している。去年の良いときの状態に近づいてきたかなと思っていただけに田口に3連戦の頭を託して欲しかったなと思った。

 -田口は27日の第2戦に先発したが1回にいきなり4失点。3回にも鈴木に一発を浴びるなど4回5失点で負け投手になった

 西本氏 初戦で広島打線(13安打で14得点)を一気に勢い付かせてしまった。そして流れも。結果、28日の第3戦ではエース菅野でもこの流れ、勢いを止められなかった。

 -それにしても巨人は去年から広島に分が悪い

 西本氏 広島打線というのは去年と主力がほとんど変わっていない。それなのに抑えられないというのはミーティングで対策が徹底されているのか問われる。去年の反省も生かされていないということ。この3連戦を見ても打たれすぎ(34安打)だし四死球(17個)が多すぎる。

 -一方の広島はどうだったか。第3戦は2年目の高橋昂が6回を2点に抑えてプロ初勝利

 西本氏 高橋昂は腕も良く振れていたしスライダーも良かった。野間の逆転3ランも出たりとチームの勢いにも助けられた。これも巨人が広島に流れを与えてしまったから。流れ、勢い。改めて思うが初戦は田口で行って欲しかった。