巨人が2勝1敗で苦手の広島に勝ち越した。野球評論家の西本聖氏にテレビ観戦で今回の3連戦をチェックしてもらった。

 -前回6月末のマツダスタジアムでの3連戦で巨人は広島に3連敗

 西本氏 この前のリベンジというか、そういう意味では2勝1敗と勝ち越せたのは良かった。

 -初戦で菅野が8回無失点の素晴らしい投球

 西本氏 前回の3連戦では中5日で第3戦目に先発して負け投手。今回は中7日空けたこともあってか真っすぐを多めに使っていた。真っすぐで攻めていくという気持ち。体のキレも良かったし勢いもあった。真っすぐが良かったから変化球も生きた。3連戦の頭をエースで取れたことが大きかった。

 -第2戦は内海が先発。6回2失点と踏ん張ったが2-5で敗れた

 西本氏 内海は頑張ったと思う。問題のシーンを挙げるなら6回裏の攻撃。代打で出た重信が安打で出塁したが次の坂本の初球に走って盗塁失敗した。0-2で無死一塁。ゲームの流れを見たとき、坂本が追い込まれてからの盗塁なら分かるが初球、しかもストレート系のボールだった。状況、流れをもう少し考えて欲しかったなと思った。それともう一つ。7回2死一、二塁で大城の打席。ここは代打阿部を出してほしかった。2点負けていて勝負をかけていかないといけない場面。大城もけっして悪い打者ではないが仕掛けていく場面。阿部の代打を考えて欲しかった。

 -第3戦は先発の今村が5回2失点と試合を作り、6回から継投に入った。谷岡、上原とつないで8回は沢村、9回はマシソンが登板

 西本氏 今村は1安打(バティスタのソロ本塁打)に抑えたが5四死球と四球が多かった。もう少し自信を持って投げて欲しかった。それと沢村も1四球、マシソンも3四死球。やはりリリーフ陣に不安が残る。安心して逃げ切れる状況ではない。前半戦残り3試合、さらに球宴休みもあるので、しっかりと見つめ直してもらいたい。四球というのは何も残らないし野手もしらける。投げてみないと分からないでは困る。

 -最後に。窃盗容疑で元巨人柿沢容疑者が逮捕された

 西本氏 信じられない。トレードで巨人に来た選手だが、球団もどんな選手なのか、少しでも変な噂があったらしっかりと調査するべきだったのでは。裸の写真をSNSに投稿した選手もいたが、最近巨人はこういうことが多すぎる。私が現役の時は巨人を中心に報道された時代。「見られている」と気を使ったし、服装も必ず襟付きのシャツを着た。それは寮長であったり、先輩から常に厳しく言われた。門限破りをしたら正座をさせられたし、そういう伝統がジャイアンツにはあった。柿沢容疑者は野球選手という以前に、人間としてやってはいけないことをした。ただ、それでもチームにも責任はあると思う。ジャイアンツのユニホームを着ているとはどういうことなのか。再びこういうことが起こらないよう、球団も責任を感じて欲しい。