プロ注目右腕、星稜(石川)奥川恭伸投手(3年=183センチ、82キロ)が毎回の17三振を奪い3安打完封した。野球評論家の西本聖氏にテレビ観戦で奥川の投球をチェックしてもらった。

-最速は151キロ。スライダー、チェンジアップ、フォークボールと変化球も多彩だった

西本氏 特にスライダーが良かった。あれだけ低めに制球できればなかなか打てない。プロに入ってからストレートのスピードを上げるのはさほど難しくはない。上半身を中心にトレーニングすればアップできる。しかし変化球を覚えるというのは時間がかかるし難しいもの。高校生の時点でこれだけの変化球を投げられればプロ入り後も苦労はしないだろう。

-ストレートはどうか

西本氏 変化球に比べ、やや高めに抜けるボールが目立つのが気になった。投球フォームを見ると左膝が突っ張る感じで少し重心が高い。歩幅をもう半歩広げて重心を落とせばストレートも低めに集まるはず。今の高校生はどうしてもウエートトレーニングをして上半身に頼った投げ方をする子が多い。スピードは出るが、高めに抜ければプロは振ってくれないし四球を出してしまう。よりレベルを上げていくには上半身の力を抜いていかに低めに直球を投げ込められるか。スライダーを投げるくらいの感覚でちょうど良い。いずれにしても良い投手であるのは間違いない。今後が非常に楽しみだ。