22日はイチロー氏の50回目の誕生日。言うまでもない日米球界のレジェンド、現役引退後はマリナーズの「会長付特別補佐兼インストラクター」として活動するイチロー氏も今年で50歳です。「イチローが50!」と歳月の流れに感慨深い方も多いでしょう。

そのイチロー氏が日本で所属したオリックス(ブルーウェーブ時代ですが)は21日にCSを突破。リーグ3連覇で日本シリーズ進出を決めました。いよいよ阪神との「関西シリーズ」が実現したのです。

メディアも「関西シリーズ待ってた」などとはしゃぎますが、独断で言わせてもらって「いやいや。ホンマかいな…」というのが正直な感想です。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

大阪・北摂生まれ、子ども時代から阪神に興味を持ちました。ミスターこと長嶋茂雄さんは好きだったけど、あこがれたのは田淵幸一氏、江夏豊氏。野球記者になって初めて江夏さんに会ったとき。のっそり歩いてきた江夏さんを見て「うわ。江夏や…」と、呼び捨てしてしまったことを思い出します。

パ・リーグにもっとも興味を持ったのは小学6年生のころ。阪急沿線に住んでいたので周囲の野球好きな子どもたちは「阪急子ども会」的なものに入り、黒と赤のツートンカラーの帽子をかぶっていました。

強い阪急ブレーブス。1975年(昭50)に「赤ヘル旋風」の広島を倒すと、76年からは2年連続で巨人を下し、3連覇を果たしたのです。まさに黄金時代でしょう。

阪神がかなわない巨人をやっつけてくれる阪急-。こっちには強いチームがあるんや…。そんな思いで満足したものです。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

しかし現実は厳しい。強かったけれど人気面で阪神にかなわなかった阪急。コアなファンは存在しましたが、やはり、巨人と常に対戦する阪神はテレビ中継も多く、人気は高かった。結局、阪急は88年にオリックスに球団譲渡することになりました。

そもそも当時、パ・リーグには阪急以外に南海、近鉄と在阪鉄道会社がオーナーの球団が3つも存在。それぞれ地域性もあって面白かったですがローカルなイメージはぬぐえなかったかもしれません。

あれから35年。時代は巡り、その阪急は阪神の親会社になっています。その阪急が元のオリックスも現在は近鉄バファローズとの合併で生まれた球団。タイムマシンが本当にあって現在に突然、やってきた40年前の野球ファンなら仰天するでしょう。

そして「ほんまかいな」と言うのは、どっちを応援するんよ~という話です。そもそもセでは阪神、パではオリックスという感じで応援しているファンは多いでしょう。

例えば虎党が巨人に対する敵対心的なものは沸きにくい。どっちが勝っても、負けた方が気になったりして、なんだかドキドキしてしまうのです。

正直なところを言えば、どちらか1つが日本シリーズに残ってくれたらいいのに…という気もしてしまいます。

「確かにね。ウチも京セラドーム大阪を借りたりしていますしね。なんだか変な感じもします」。この日、話した阪神の球団関係者もそう苦笑しました。

それでも64年の阪神-南海以来、実現していなかった関西シリーズです。プロ野球の話題が関西に集中してしまうのも、少し心配ですが、阪神は12球団NO1の人気チームということですし、ここは結末を見守るしかありません。

ズバリ、経験あるオリックスがやや有利か。それでも7戦目までもつれ込むような気はします。いやいや、本当に変な汗の出る日本シリーズになりそうです。【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「高原のねごと」)

23年10月20日、日本シリーズ進出を決め、記念撮影する岡田監督(中央)ら阪神の選手たち
23年10月20日、日本シリーズ進出を決め、記念撮影する岡田監督(中央)ら阪神の選手たち