「変顔やってください」。元広島投手の斉藤悠葵(ゆうき)氏(32)は、視聴者からのリクエストに全力で応える。ライブコミュニケーションアプリ「Pococha(ポコチャ)」で、3月2日から配信活動をスタート。視聴者からのコメントを拾いながら会話をしていく。

プロ野球を引退した後も、ファンとの交流を続けている。株式会社Viibarの運営する、ライバーマネジメントプロダクション「ビーバー」が、NPB出身の動画配信者「ライバー」を12人集め、配信の支援を始めた。ライブ配信自体はたまに見る程度だったが「野球をやってたことを強みにしたかった」と初代メンバーに名を連ねた。

平日はサラリーマンを続けながら、週5回自宅で平均2時間の交流を続ける。やるからには全力投球で。視聴者を引きつける方法は何か、研究も欠かさない。他の動画配信者を参考に、時には激辛料理を食べ、感想を述べる体当たりな企画もやる。「配信を続けることが全く苦にならない。リフレッシュみたいな感覚」と笑顔を見せた。

元プロのため、野球に関する質問が多い。視聴者の中には、草野球選手や球児もいる。「自分が経験したことを視聴者に還元したい」と丁寧にコメントに答える。ボールの握り方、使用していたグラブ、現役時代のチームの雰囲気…。飾ることなく伝える。

視聴者と集まって野球をしたり、野球中継を見ながら解説を配信したりと、やりたいことは山ほどある。「自分が楽しめば、画面の向こうの人も楽しんでもらえる。回数も時間も、もっと増やしたい」。動画配信がライフワークとなり、新たなセカンドキャリアの道を示す心意気がある。【湯本勝大】