大商大と関西国際大の練習試合が24日、兵庫・三木市内で行われ、来秋ドラフト候補の大商大・福元悠真外野手(3年=智弁学園)が左越え本塁打を放つなど、存在感を示した。

智弁学園では、優勝した16年センバツで4番を担い、1回戦から準決勝まで4試合連続で安打をマーク。高校通算45発の右の長距離砲だ。関西6大学リーグの強豪・大商大でも1年春からベンチ入りを果たした。

打席に入る際、高校時代におなじみの一連の動作は今も健在。バットの先をアウトコースに向けるように置き、右手を挙げる。ゆったり行う動作には「(投手と向き合う前に)何かほしくて。自分の間を取れるようになった。投手に合わすのは嫌いなので、投手が自分に合わすくらいの打席の流れを作りたい。それはできていると思います」と狙いを込めている。多少、形は変わりつつも、高1の冬から欠かせないルーティン。自分のバッティングは、そう簡単には見失わない。

コロナ禍での自粛期間中は基本に立ち返った。「けがが多かったので、けがをしない体作りを。時間を無駄にはしたくなかった」。入学時からこれまでの3年間、右足の肉離れや筋断裂など度重なる負傷が煩わしかった。基礎トレーニングに加え、1日6食の生活を送り、体重は5キロ増の89キロとたくましさが増した。「長打が増えました。スイングも強くなったというのはある」。この日は5回2死から、狙い球ではなかった初球スライダーを「甘かったので」と左翼へ完璧に運び、練習試合期間で2本目のアーチ。開幕間近に迫った今秋リーグ戦へ向け、積み重ねが芽を出しつつある。来年度は主将に就任予定。「4年生とは最後。自分たちは来年があるとか言う考え方はしたくない。この1年にかけるつもりで。神宮で試合がしたい」。腕を鳴らして、秋の始まりを待つ。【望月千草】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

◆福元悠真(ふくもと・ゆうま)1999年(平11)12月1日、奈良県高市郡出身。明日香小では奈良葛城ボーイズ/JFK(小学部)に所属し、聖徳中では同チームの中学部に所属。智弁学園では1年秋から、大商大では1年春からベンチ入り。180センチ、89キロ。右投げ右打ち。

関西国際大とのオープン戦に先発出場し、5回2死走者なしから左越え本塁打を放った大商大・福元
関西国際大とのオープン戦に先発出場し、5回2死走者なしから左越え本塁打を放った大商大・福元