<第69回土浦市長杯争奪高校野球大会:霞ケ浦11-6常総学院>◇決勝◇29日◇J:COMスタジアム土浦

常総学院主将の田辺広大捕手(2年)は「木内元監督が見ていたら…こんなんじゃダメだぞ、と言っていると思います」と天を仰いだ。茨城・土浦市内の9校が参加した第69回土浦市長杯争奪高校野球大会。常総学院は、決勝で霞ケ浦に6-11と大敗した。

大会前、島田直也監督(50)はミーティングで初めて11月24日に死去した木内幸男元監督に触れた。「木内さんは、常総学院を作ってくださった方。そういう方が亡くなった後の試合。恥ずかしくない試合をしよう」。レギュラー以外の底上げを課題に掲げた。

試合は2枚看板の秋本璃空投手(2年)と大川慈英(2年)は登板せず。控えの投手5人で継投したが、12安打7四球で11失点。攻守に粘りを見せられず。島田監督は「秋本と大川に頼っていただけ。全国制覇なんてあり得ない」と切り捨てた。

木内元監督ならどうしていたか。「もう(控え選手を)干しているでしょうね」と島田監督は一笑した。出来て当たり前の木内野球。練習では徹底して厳しく、選手間の競争の中に成長を促した。田辺主将は「僕らはチャンスをもらっているのに生かせなかった。自分たちの野球をもう一度見直したい」と木内元監督が作り上げた常総野球を引き継ぐ覚悟を決めた。

最後に島田監督は「これから春までの約4カ月。選手たちは必死にやらなければ。木内さんは天国で見てくれていると思うので、春にはいい報告をしたい。もっと強くなりますよ」と期待を込めた。負けから学び強くなる。島田常総学院、勝負の冬が始まる。【保坂淑子】

03年8月、全国高校野球選手権で優勝旗の隣に誇らしげに立つ常総学院監督の木内幸男さん
03年8月、全国高校野球選手権で優勝旗の隣に誇らしげに立つ常総学院監督の木内幸男さん