立命大は今年の関西学生野球春季リーグで同校史上初の10戦全敗で最下位に終わった。
野球は「春勝てたから秋も勝てる、春負けたから秋も負ける」というほど単純明快なスポーツではない。メンバーが大きく入れ替わるとはいえ、高校野球でも今夏の甲子園で優勝した京都国際が、23日の秋季県大会4回戦で敗れた。立命大も春に全敗したからと言って秋も負け続けるわけではない。
開幕戦が行われた7日、私は阪神大学野球秋季リーグの取材で南港にいた。南港の記者室でも話題になっていたことは、立命大のエースで、プロ注目の最速152キロ右腕・長屋竣大投手(4年=浜松開誠館)が、メンバー表で「学生コーチ」として登録されていたことだ。6月上旬に右肘関節内側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を行った影響だ。
春10連敗で、プロ注目の4年生投手が離脱して迎えた秋のエースは2年生左腕が務めている。第1節、第2節でともに1回戦と3回戦に先発した有馬伽久投手(2年=愛工大名電)だ。
プロ注目右腕からからエースのバトンを受け継いだ左腕は第1節で先発した2戦とも敗れた。長屋から「しんどいと思うけど代わりにエースとして投げているなら(勝ちを)取り切らなあかん。苦しくても粘って投げて欲しい」と言われ覚悟が強くなった。
14日の第2節1回戦では大学入学後のリーグ戦初勝利。「投げても勝てなくて本当に苦しかったですし、やっと勝つ瞬間が来てほっとしている」と心境を明かした。16日には初の勝ち点をつかんだ。
第1節2回戦で現在首位の関学大から今年初勝利を挙げると、第2節ではドラフト1位候補の金丸夢斗投手(4年=神港橘)を擁する関大から19年春以来(21年春の不戦勝除く)の勝ち点を奪った。「『あいつが投げたら勝つぞ』と信頼されるピッチャー」になることを重要視する左腕が、全敗最下位からの下克上優勝を目指しチームを引っ張る。【塚本光】






