3カ月前のことだ。横浜でDeNA4回戦に負けた4月20日。「22試合目で借金15は球団最速」というデータが注目された。勝てない、弱い。どうなることか。そう思っていたとき、同業他社の中堅記者がこんなことをつぶやいた。
「最速借金と言いますけど負けが込むのは早い時期の方がいいですよね。シーズンも終わりにそんな状況になったのならどうしようもないけど。まだ20試合そこそこなんですから」
楽観的と言えばそこまでだけど、そういう考え方もあるのかと思った。5割復帰の日を迎えてみれば、その記者はなかなか“洞察力”を持っていたと言える。
94試合目での5割復帰。これだけでも奇跡的な盛り返しと言えるが、こうなると球宴ブレークが恨めしい。7月は17試合で12勝5敗の勝率7割6厘。勢いがある今、試合して貯金を増やしたいところだが、そう、うまくいかないのだ。
前半戦の終了だが残りは49試合。これもアホらしいほど楽観的な計算をさせてもらって、40勝9敗でいけば阪神の勝率は6割1分。その場合、ヤクルトが残り52試合を30勝22敗でも勝率6割6厘となり、阪神が上になる。
「どないしたら40勝9敗でいけるねん」。そう思われるのも当然だが、とりあえず、そんなホラ話をできるような状況になってきたと許していただきたい。
「奇跡を信じながらドラマを作れるように自分たちを信じながら戦っていく。ある意味、僕はファンのみなさんを巻き込んで。みなさんが僕らのドラマを信じてくれて、奇跡を信じてくれて、それを僕たちもパワーに変えて。そのあたりをまたお願いしたい」
前半戦総括で指揮官・矢野燿大はそんな話をしていたようだ。虎党がドラマを信じる力は自分たちのパワーになる。悪い意味でなく矢野が好きな「スピリチュアル」なトーンだし実際にそう思っているのだろう。
もっとも「ファンの応援を力に変えていく」というのは、これまでもいろいろな人が言ってきたことでめずらしい話ではない。プロはファンとともにあるのは当たり前だ。
誰が考えても重要なのは29日からのヤクルト3連戦(甲子園)だ。ここで今回のDeNA3連戦のようなことが起これば「奇跡」の気配は少しだけ濃くなるのだが…。さあ、どうなる。そんな妄想を膨らませながら熱戦の再開を待ちたい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




