藤浪晋太郎が抑え、佐藤輝明が打った。他にもいい面が出て快勝だ。これで2年連続巨人戦勝ち越し決定。苦しいシーズンだがこんな日があってもいい。土曜の昼下がり。東京に行けなくてもテレビの前で楽しんだ虎党も多いだろう。
独断で言わせてもらえば梅野隆太郎のスタメンマスクがよかったと感じる。今季も坂本誠志郎との併用が続いていたが先月中旬に坂本が“コロナ離脱”したこともあり、それ以降、梅野のスタメンが続いた。チームも好調だったがここにきて悪夢の8連敗を喫した。
坂本のコンディションが戻ったこともあって8連敗後の18日、スタメンマスクは久々に坂本となった。そこで連敗が止まり、19日巨人戦にも勝った。西純矢、西勇輝をリードしての連勝である。
そこで頭に浮かんだのは昨年終盤のことだ。それまで起用していた梅野ではなく坂本のスタメンマスクが続いた。併用なら分かるが梅野の先発がぱったりなくなってしまったのを虎党も覚えているだろう。
「現代の野球で1人の捕手がシーズン通してスタメンというのは無理」。これは指揮官・矢野燿大の考えだ。一昨年(20年)の開幕カード、東京ドームでの巨人戦で梅野、坂本、そして原口文仁という「日替わり捕手」の策を取った要因にもなっている。
捕手を併用する起用法は昔からある。特定の先発投手のときに普段はサブ的な捕手がスタメンマスクをかぶる場合が多かった。それに比べて矢野が捕手を代えるパターンはそれほど明確ではない気がする。
梅野中心で週に1、2度、坂本がスタメンというのなら分かるが、そういう感じでもない。そこは捕手出身監督ならではの何かこだわりがあるのだろう。そこで思ったのが藤浪が先発するこの日も坂本かな、ということだった。
フォークがポイントになる藤浪にはブロックのいい梅野だろう。コンビも長いし。でも今の流れでは坂本かも。いろいろと想像したが矢野の決断は今季も藤浪と組んでいる梅野だった。当たり前の気もするが、それで結果が出たのはよかったのではないか。表現は難しいけれどチームに落ち着きが出る気がするからだ。坂本も好選手だし、来季も正捕手争いをすればいい。それでも借金返済、上位進出を狙う現状、「藤浪=梅野」で勝てたことは大きいと思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




