似ている。相当、似ているのだ。宜野座キャンプ2日目、来日2年目となるカイル・ケラー(KK)、そして新加入のブライアン・ケラー(BK)がともに初ブルペン。同姓に加え、容姿はもちろん、投げる様子がそっくりだ。

ともにイケメン。ほおからアゴにかけてヒゲを生やしているのはもちろん、豪快に投げ下ろす感じも似ている。妙な言い方だが、外国人に慣れていない人には本当に見分けがつかないかもしれない。

背中のつづりはともに「KELLER」で背番号はKKが「42」でBKは「24」と、これまた似ている。東京記録部・伊藤友一によると日本球界では広島にクリス・ジョンソンとDJジョンソンが20年に同時に在籍するなど同姓の助っ人がいたことは複数例があるが、名前だけでなく、ここまで似ているのは本当にめずらしいようだ。

ホンマ、阪神、どういうつもりやねん…。などと記者仲間でバカ話をしていると「分からんか。それはやな…」と古い球団関係者がそっと耳打ちしてくる。「どっちかを1人だけ登録しておいて、そっと入れ替えて投げさせるんや。そしたら連投が効くやろ」。

ああ。なるほど。それならブルペンの人数を常に1人多く数えられますな。名案や…って、そんなアホな。もちろん、ジョークである。念のため。

そんな、とんでもないインチキ・プランを妄想させるほど似ている2人だ。ちなみに冒頭から書いている「KK」「BK」の呼び方は安藤優也、久保田智之の両投手コーチから「我々はそう呼んでいる」と教えてもらったもの。

ブルペンを終えたKKに「そっくりさんのブルペン共演」を聞いた。新しい外国人選手が同姓なのはあらためてどう思うか? 見た目などが似ている点については?

「そうだね。(BK)が決まったときは『ケラーなのか!』と正直、驚いたよ。確かに自分も見た目も似ていると思う。その点に関して面白いことは言えないけれど、同じ名前、2人のケラーでタイガースの勝利に貢献したいと思うよ」

K・Kは湯浅京己不在時のクローザーを含めたブルペン、B・Kは先発スタッフの一角を目指すとあり、期待される役目に関してはさすがに違う方向。おのおのがしっかりと働いてくれれば「ダブル・ケラーでアレ」となるかも…。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

ブルペンで投げこむK・ケラー(撮影・上山淳一)
ブルペンで投げこむK・ケラー(撮影・上山淳一)
ブルペンで投球するB・ケラー(撮影・上山淳一)
ブルペンで投球するB・ケラー(撮影・上山淳一)