恐れ入ったと言うべきだろう。
8回、原口文仁の2ランを演出した「岡田マジック」。詳しくは虎番記者の記事で読んでいただくとして<1>盗塁成功までは左打者の方がいい(捕手が投げにくい)という判断<2>左打者なら抑えられると思っていたであろうエスコバーとの心理戦…など実に奥が深い。本当に見たことのない場面だった。
強調したいのは、そんなマジックに至る“下地”がいまの阪神打線にはできているということだ。優勢に試合を進められているのには理由がある。この3連勝中、常に塁上をにぎわし続けた理由の1つに四球の数が上げられるのではないか。
この試合では6つの四球を奪い、3連勝で終えた開幕3連戦で実に16四球を選んでいる。これはセ・リーグでダントツ。DeNA投手陣の乱調はあるのだろうが、阪神打線がしっかり、球を見極めている点は高く評価できる。
上位を打つ割には四球が少ないとされる近本光司もそうだ。この試合は3回に四球。前日は2四球、開幕戦は死球が1個あり、3連戦は安打以外で4度、出塁していることになる。1番打者のこれは大きい。
「そこは意識しているところなんで。でも、まだボール球を振っちゃっているところはあるんですけど」。近本はそう振り返った。“スロースターター”と言われながら早々と結果を出している理由はここにもあるのかもしれない。
「なんか思い出すよな。みんなが四球であれ、塁に出て。よっしゃ、こういうやり方したら点取れるんちゃうかなとか、そういうの、やっぱり思い出してくるやんか。それはやっぱり選手がダイヤモンドを走り回っているからで、走者出んかったら何もできひんやんか。はっきり言うて。そういうことやん」
マジック采配の結果、3連勝を収めた余韻からか普段以上に冗舌だった岡田。過去に指揮を執り、阪神で04、08年に2度、オリックスでは10年にいずれも「開幕3連勝」を飾っているが、残念ながら“アレ”にはつながっていない。
前任者・矢野燿大も21年に神宮でヤクルトに3連勝しながら最後は優勝は逃している。開幕カードに3連勝したからと言って浮かれていいわけではない。経験上、それは分かっている。分かっているけど、この結果になんだかドキドキしてしまうのも人情なのだ。(敬称略)




