大きな勝利だ。横浜スタジアムでの連敗を「13」で止め、同球場で今季初勝利、戦績を1勝5敗とした。チームそのものを苦手にしているわけではなく甲子園、京セラドーム大阪などでの主催ゲームでは8勝1敗。通算9勝6敗で「貯金3」だ。ゲーム差も「7」とし、ライバルの1つであるDeNAにまずは差をつけたと言える。

内容もいい。牧秀悟に1発を浴びたとはいえ、6回2失点と踏ん張った先発・村上頌樹に白星をつけられなかったのは悔しい。それでも同じく7回1失点と好投の東克樹が降板した8回に集中攻撃。守備面でもDeNAにミスが目立ったのに対し、阪神守備陣はしっかり守った。

横浜での鬱憤(うっぷん)を晴らす試合だったと言えるかもしれない。しかし、そうならなかった男が1人、いる。佐藤輝明だ。投手の村上を含めてスタメンが安打を放つ中で、ただ1人、蚊帳の外に終わった。

2回の無死一塁は見逃し三振。やはり無死一塁の4回には空振り三振を喫した。さらに5回1死一、三塁では遊ゴロ併殺打。1点を追う8回、1死三塁の同点機でも空振り三振だ。なんとか1本…と期待された9回2死二塁では打つチャンスすら与えられず、申告敬遠されてしまった。

長期ロードの8月は3試合で打率4割5分5厘、1本塁打、5打点と好発進の佐藤輝。その勢いで横浜スタジアムでも暴れろ! と期待がかかっている。

それだけではない。佐藤輝にとって今季、横浜は“因縁”の場所だ。交流戦明けだった6月23日からの3連戦。24日に連敗した後、佐藤輝は2軍落ちとなった。チームもそのカード3連敗で首位からも陥落。阪神も佐藤輝も、一時はどうなるのかと思われた時期だ。しかし近本光司の負傷もあり、佐藤輝は早期に1軍復帰。チームも首位に返り咲き、現在に至っている。

だからこそ、この横浜で佐藤輝がスカッと打って勝てばムードは一気に盛り上がるはず。14安打で5得点、足攻を絡めての勝利に指揮官・岡田彰布は「ヒットが出る割に点取るのが遅かったしな…」と話した。

試合そのものも緊張感のあるナイスゲームだったが、次は佐藤輝の一撃もほしい。「キッズスターナイト」のこの3試合、スコアボードの名前はひらがな。佐藤輝のところには「さとうてる」とある。うてる、打てる…で打つところだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

DeNA対阪神 試合前、キッズSTAR☆NIGHTにちなんで、平仮名でスタメン発表される(撮影・狩俣裕三)
DeNA対阪神 試合前、キッズSTAR☆NIGHTにちなんで、平仮名でスタメン発表される(撮影・狩俣裕三)