半世紀近い時をへて福島工が壁を破った。広瀬修一監督(46)が実感を込めた。「たいしたものです。選手が頑張ってます」。46年ぶりの4強進出は、51年の初参加から節目となる夏通算50勝のおまけがついた。

 佐藤優希主将(3年)は「大きいのを打てる選手が少ないので」と話し、単打でつないで、盗塁や犠打などの小技を絡めた野球が身上だ。初回にシングルヒット4本で3点を先制。6回は9番佐藤航希(3年)のスクイズが内野安打となった1本を含め、6単打で6点を奪うビッグイニングにした。前日20日、安積黎明との4回戦も8回に大量7点を取って逆転した。優勝候補筆頭・聖光学院との対戦を目標にする選手が、例年以上に集中力を高めている。

 その聖光学院と明日23日の準決勝で顔を合わせる。現チームは準公式戦を含めて3度対戦し、すべて敗れた。2失点完投したエース左腕佐藤快斗(3年)は「しっかりコースを突きたい」。佐藤優主将は「この夏は先制点を取って勝つ流れ。それを聖光にも」と言った。福島工が決勝に進めば初。歴史を塗り替える一戦に、格好の相手となった。【久野朗】