泉館山(宮城)が左腕庄司啓人投手(3年)の快投もあり、昨年準優勝の古川工を2-1で破った。

 反骨心とともに腕を振った。庄司は投球練習を終えるたびにマウンド後方にしゃがみ込み、帽子のつばを見つめた。「あいつらを見返せ」。9回無死二塁。スイッチを入れた。決め球のスライダーを投げる時は腕が緩まないように。自然とシュートする直球も惑わせた。空振り、見逃し、そして最後はスライダーで空振りの三振。最後は圧巻の3者連続奪三振で昨年準優勝校をねじ伏せた。

 寺岡中時代は軟式野球で仙台市選抜に選ばれるも、県選抜からは落選。「あの時悔しい思いをした。それを忘れないために」と昨春から帽子に書き込んだ。高校最後の夏に見せた12奪三振。「三振が取れるところでは取りたい」。次は18日仙台商戦でコボスタ宮城のマウンドに上がる。