反骨精神でドラフト候補を撃破した。東亜学園(東東京)が二松学舎大付との激闘を制した。この日149キロを出し、最速を更新した大江を攻略し7-6で勝利。決勝進出は01年以来で、地区割り再編成に伴い13年に東東京に移動してからは初となる。

 専用グラウンドはない。対外試合は全て遠征だ。そんなハンディをものともしなかった。1点を追う5回、反撃ののろしをあげる二塁打を放った鈴木翼主将(3年)は「大江のストレートを狙っていました。今大会一番の会心の当たりでした」と149キロ直球を打ち返した。6回途中で、大江を引きずり降ろした。

 前日は、左腕攻略に費やした。打撃練習ではマシンの速度を10キロ速めて、約140キロに設定。隣のケージでは、左投手が3メートル手前から投げた。7回には4点を返されたが、2番手で救援した青木大河投手(3年)が踏ん張った。中3の冬、二松学舎大付に進学が決まった友人に言われた。「東亜学園って、どこなのそれ? って言われました。二松学舎には負けたくなかった」と右腕は胸を張った。

 28日、関東第一との決勝で89年以来の27年ぶり甲子園を狙う。鈴木主将は「ここまで来た。最後もしっかり勝ちたい」。また、大物食いをやってのける。【和田美保】