市和歌山が、箕島を振り切った。8回裏、3番の薮井幹大外野手(2年)が左中間へ決勝の2ラン。「1点でもいいから点を取って、ピッチャーにゆとりをあげたかった」。エース赤羽陸投手(3年)は、9回を2安打完封で締め、春夏連続の甲子園出場を決めた。

 薮井は5月末に右肘の滑膜除去手術を受け、6月末に球を投げられるようになったばかり。腕を伸ばして重たい物を持つことはできないが「センバツは(スタメンで)出ていないから、チームのためになりたかった」。初戦敗退した春の悔しさをバネに成長し、甲子園に借りを返しに行く。

 ◆市和歌山 1951年(昭26)市立和歌山商として創立。09年普通科設置で現校名。総合ビジネス科、デザイン表現科、普通科の3学科。生徒数は770人(女子499人)。野球部は57年創部、部員は66人。甲子園は春5度、夏は5度目。OBに藤田平元阪神監督ら。和歌山市六十谷45。山本昌之校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦6-0紀北工

3回戦8-0那賀

準々決勝10-5智弁和歌山

準決勝3-2橋本

決勝2-0箕島