第98回全国高校野球選手権(7日開幕・甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われ、初出場の北北海道代表クラークは大会第6日第1試合で、10年連続出場となる聖光学院(福島)との対戦が決まった。クラークは通信制として初の白星を狙う。

 49代表校中、抽選会場に一番乗りしたクラーク阿部勇斗主将(3年)はなかなかの強運だった。大会第6日の日程は、暑さへの慣れが必要な北海道代表にとってありがたい。おまけに第1試合とあって「暑くならない朝の試合だし(前の試合が終わるまで)待たなくていい」と阿部。イメージ通りの日程に、ホッと一安心だ。

 相手の聖光学院は、戦後最長記録を更新する10年連続出場と、東北を代表する強豪だ。佐々木啓司監督(60)は「チームワーク以外は負けかな」と豪快に笑い飛ばし“白旗作戦”に出たが、すべてが本音ではないだろう。駒大岩見沢で春夏通じて初めて甲子園に出場した1983年センバツは、8強入り。「基本に忠実に行けばいいんだ」と、初陣の戦い方は心得ている。「83年も(初戦は)第1試合だったけど、早起きは試合の日だけでいい。それで、大丈夫」と、第1試合は吉兆とばかりに33年前を振り返った。

 この日、チームはあえて野球の練習はせず、兵庫県伊丹市内の宿舎周辺で入場行進の練習を敢行。佐々木達也部長(32)が動画を撮り、出場校中NO・1の行進を見せるべく約30分、練習に励んだ。試合でも行進でも先頭に立つリードオフマンの阿部は「聖光学院は小さい頃からテレビで見ていて強いイメージがある。勝つためには流れを作りたい」。勝てば、通信制の高校として春夏通じて初白星。創部3年目のニューフェースが、高校野球101年の今夏、新たな歴史に挑戦する。【中島宙恵】