第98回全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会は4日、大阪市のフェスティバルホールで開かれた。2年連続10度目の中越(新潟)は富山第一(富山)との対戦が決まった。大会第5日(11日)の1回戦最後のゲームで、正午プレーボール。同じ北信越地区、隣県同士の戦いにナインの心臓は闘志で高鳴り始めた。

 広川健介主将(3年)が引いたクジは大会第5日、11日の第2試合。1回戦最後のゲームを引き当てた。対戦相手は同じ北信越地区の隣県校・富山第一。「北信越地区同士の対戦。全国の人たちに北信越地区(高校野球)の力を見せたい」と同主将は話した。1、2回戦25カード(1試合は対戦相手未定)のうち、一番最初に対戦相手が決まったのが中越の試合だった。

 相手の富山第一は3年ぶり2度目の出場で、中越は2年連続10度目。初戦敗退した昨年の甲子園から、本田監督は貴重な教訓を得ていた。滝川二(兵庫)との1回戦は3-4の手痛いサヨナラ負け。以後、胸に刻んできたのが、習志野(千葉)の小林徹監督の言葉「戦術は瞬発力」だった。

 「(甲子園では)“やられた”と思っているうちに、次のことをやられた。頭にもスピードが必要」と状況把握の速さ、決断の速さを自分に課してきた。「洋服を選ぶのにも迷うタイプ」という本田監督だが、試合になれば9イニング通して神経を研ぎ澄まし、瞬時に指示を出してきた。そんな心構えが奏功し、新潟明訓との新潟大会決勝は7回に2連続を含む3スクイズを成功させて相手を沈めた。昨年の甲子園初戦敗退は、決して無駄にはしない。

 今後は富山第一の情報収集と分析をしながら、11日正午のプレーボールに合わせた練習、調整をする。「富山第一は毎年、練習試合でお世話になっている学校」と広川主将は話したが、今年は日程が合わず、やっていない。だからこそ、隣県のライバル相手に士気は高まる。「同じ北信越。どこの学校と戦うよりも勝ちたい」と広川主将は、闘争心をむき出しにした。