大会が開幕し、全3試合で本塁打が出る豪打の幕開けになった。史上8校目の春夏連覇を狙う智弁学園(奈良)は「清宮世代」の3番太田英毅内野手(2年)が初回に先制2ランを放ち、初出場の出雲(島根)に快勝した。

 センバツ王者のもう1人の「清宮世代」が、甲子園で目をさました。2年生の3、4番。奈良大会2本塁打6打点と元気な4番・福元に対し、ゼロ本塁打1打点と落ち込んだ3番・太田。だが甲子園春夏連覇への挑戦は、太田の1発で幕を開けた。

 初回1死二塁で飛ばした一撃。「もし入らなかったら恥ずかしいので全力で走りました」と息を切らしてベースを駆け抜けたが、バックスクリーン左に飛距離は十分。「最高です」とお立ち台で胸を張った。

 春季近畿大会奈良県予選中に右すねを痛め、疲労骨折寸前に。「打てるショートに育てる」方針をあきらめ、二塁に配置転換したのは小坂将商監督(39)の親心だった。奈良大会は本来の長打力を取り戻そうと、最短距離でバットが出るように試行錯誤。監督も「甲子園に行ったら打てる!」と励ました。チームを乗せた初戦の1発。主軸が目覚め、春夏連覇へ発進した。【堀まどか】

 ◆センバツV校の白星スタート 今春優勝の智弁学園が勝利。春V校が夏も出場したのは44度目で、初戦の成績は28勝16敗。過去7校が春夏連覇を達成。