2年連続5度目出場で昨夏は1勝を挙げ16強に進出した鶴岡東(山形)がいなべ総合学園(三重)に3-5と競り負け、2年連続の初戦突破はならなかった。山形大会5試合で3失策と鉄壁を誇った守備陣が、この日1試合3失策と崩れ、打線も8安打3得点と振るわなかった。13年から3年連続で続いていた山形県勢の初戦突破も止まった。

 目標だった先輩超えを果たせなかった。2-5の9回1死満塁から押し出し四球で2点差に迫るも、続く4番佐藤要主将(3年)が初球のスライダーを引っかけ、遊ゴロ併殺でゲームセット。「押し出しの後だったので初球に甘い球がくると思った。後ろにつなぐことができなかった。目標を超えられなくて悔しい」。2年連続の初戦突破を逃し、佐藤は赤く目を腫らしながら振り返った。

 試合巧者の鶴岡東が甲子園にのみ込まれた。2回に2点先制するも、5回に太居の失策をきっかけに小林が2点を失い逆転された。佐藤俊監督(45)は「3つもエラーして、どうしたのって感じ。守りのリズムが良くなかった。浮足立ってしまった」と唇をかんだ。

 打線も相手2番手山内の沈むカットボールを攻略できず、8安打3得点に終わった。山形大会で7本塁打を放った強力打線が鳴りをひそめ「もう1本が出なかった。甲子園で舞い上がってしまった」と佐藤は下を向いた。

 昨夏の16強を経験したのは3番で先発した丸山大外野手(3年)と太田海都投手(3年)の2人のみ。大幅にメンバーが入れ替わった。しかしその中で、佐藤を中心につかんだ2年連続の甲子園切符。初戦敗退という悔しい結果でも、色あせることはない。佐藤監督は「3年生には感謝しています。勝たせてやりたかったですね」とねぎらいの言葉をかけた。緑とグレーの戦闘服をまとった鶴岡東の夏が終わり、メンバー入りした4人の2年生に山形大会3連覇のバトンは託された。【高橋洋平】