第98回全国高校野球選手権に出場する常葉学園菊川(静岡)のチーム首位打者・山本雄大(3年)が、快進撃への起爆剤になる覚悟を示した。明日12日に秀岳館(熊本)と初戦(午後3時半開始予定)で激突。休み明けの10日、兵庫・尼崎市のベイコム球場で約2時間の練習をした山本は県大会同様、9番に入る見通し。上位打線につなげる「恐怖の9番打者」として大舞台でもフルスイングを心掛ける。

 フリー打撃で、山本はセンター方向へ快音を響かせた。「調子はいいです。甲子園はいい投手ばかり。打ち負けないように練習からしっかりフルスイングしています」と好調キープを強調し、充実した表情だ。県大会で15打数10安打の打率6割6分7厘、6打点と打ちまくった。大舞台でも「恐怖の9番打者」として期待が寄せられる存在だ。

 甲子園でも「リラックスして自分らしい打撃ができるので好きです」という9番に入る見通し。打順では続く1番に高校通算48本塁打の栗原健外野手(3年)が入る。山本は「つなぐ意識で打席に入っています。下位打線でチャンスを広げ、ビッグイニングをつくりたいです」と意欲満々。通算本塁打は6本ながら、ベンチプレス92・5キロとチームトップクラスのパワー。県大会では6試合で2三振と粘り強さも持ち味だ。

 富士宮四中時代、静岡蒲原シニアでプロ注目の静岡・鈴木将平外野手(3年)らとプレー。主力として全国大会では春は8強、夏も16強に進出という実績を持つ。3月の練習中に左肩を脱臼し、春季大会を欠場。一時、打撃不調に陥りながらも執念で夏のレギュラー定着をつかんだ。高校で戻ってこれた全国舞台。秀岳館戦に向け、気持ちは高まるばかりだ。

 山本 相手の左投手はスライダーがいいので、低めをしっかり見極めていきたい。

 恐怖の9番打者が、4割打線の導火線になる。【鈴木正章】

 ◆山本雄大(やまもと・ゆうだい)1998年(平10)7月13日、富士宮市生まれ。富丘小2年から富丘ベアーズで野球を始める。富士宮四中では静岡蒲原シニア所属。常葉学園菊川では2年秋からベンチ入り。右投げ右打ち。168センチ、75キロ。血液型B。愛称は「ヤマちゃん」。