鈴木は1人じゃない! ミラクル東邦(愛知)封じに秘策あり。明日17日の3回戦に登場する聖光学院(福島)が15日、京都・久御山町で約2時間調整し、4番鈴木駿輔外野手(3年)が2日連続で志願のブルペン入りした。打者を立たせて約80球投げ込み「クラーク(北北海道)相手に投手が押されていたのを見て、少しでも役に立ちたいと思った」と二刀流解禁の意図を説明した。

 斎藤智也監督(53)も背番号8の4番打者に期待した。「可能性の幅が広がる。自分の意思で言ってきた。やらされるのと、自分からやるのでは違う。がむしゃらに投げてくれればいい」。背番号1のエース左腕・鈴木拓人(3年)がクラークとの初戦で4回2/3を投げ、被安打7の3失点と安定感を欠いただけに、鈴木駿の台頭は、チームにとって間違いなくプラスだ。

 夏の福島大会では4番として打撃に専念したため登板こそなかったものの、182センチ、75キロの恵まれた体格から140キロ近い直球と、3種類の変化球を投げ込む右上手の本格派だ。昨冬から投手も任され、今春は投手歴わずか半年ながら、実質的なエース格としてチームを支えた。「野手と同じ感覚で投げ込むと、いい球が放れる。ポンとマウンドに入った方が、開き直って投げられる」。先発とリリーフの両方で準備している。

 二刀流の鈴木駿が投打に躍動すれば、4度目の8強入りに近づく。「チームの勝利に貢献したい」。東邦相手に、総動員で立ち向かう。