捕手として82年に中日のリーグ優勝、89年には巨人の日本一に貢献した中尾孝義氏(60)が、専大北上高校の野球部監督に就任することが14日、分かった。スカウト担当を務めていた阪神を昨年末に退団。学生野球回復制度の研修を受け、7日に日本学生野球協会の適性認定を受けていた。昨年末に専大野球部元監督の江崎久氏から専大北上の監督就任を打診された。「当初はリトルやシニアの指導者を考えていたが、最初のオファーで母校の専大の付属高ということで決断した」と中尾氏は話した。

 専大北上は07年に卒業生によるプロからの金銭授受などが発覚して野球部を一時的に解散するなど、06年以来甲子園から遠ざかっている。「甲子園には3、4年後には出場したいけど、まずは自分の技術や精神を伝えるとともに、高校生は社会人になる1歩前の大切な時期。体づくりや人間形成に力を入れていきたい」と中尾氏。3月から本格的なチームづくりに着手する。

 ◆中尾孝義(なかお・たかよし)1956年(昭31)2月16日、兵庫・北条町(現加西市)生まれ。滝川-専大-プリンスホテル。80年ドラフト1位で中日入団。1年目から正捕手となり82年にリーグ優勝に貢献し、シーズンMVPに選出される。88年オフに交換トレードで巨人に。89年に日本一に貢献した。92年に西武移籍。93年現役引退。所属した3球団で日本シリーズ出場。引退後は西武やオリックス、阪神などでコーチなどを歴任。09年から16年まで阪神のスカウト。