早実・清宮幸太郎内野手(3年)が2打席連発となる高校通算83号、84号を放ち、チームを秋春の東京大会連覇に導いた。好敵手の日大三を、延長12回の末、18-17のサヨナラ勝ちで退けた。春の優勝は荒木大輔を擁した82年以来、35年ぶり9回目。史上初のナイター決勝に主催者発表2万人の観衆が集まり、前代未聞の熱闘を見届けた。

 昨秋東京大会決勝のリベンジマッチに挑んだ日大三が、再びサヨナラ負けを喫した。

 4番の「デカプリオ」金成は6打数1安打に終わった。早実・清宮の強烈な2本塁打を目の当たりにし「清宮は素晴らしい打球だった。自分もこういう打球を打たないといけないと思いました。自分が打てなくて負けた。申し訳ない。秋以上に悔しい」と唇をかんだ。夏への布石として8回途中から公式戦初マウンドに上がった。4番の野村を146キロの直球で空振り三振に仕留めると、次打者で最速148キロを記録。2/3回を無失点に抑え「もっとチームのためになりたい」と左腕は二刀流を決意した。

 エース桜井は、9回に高校通算26号のソロアーチ含む4安打4打点を挙げたが、登板は見送られた。小倉全由監督(60)は「夏がある。今日は投げさせないと決めていた」と話し、盛夏へ向け2番手以降の育成も考慮した。我慢と決断のナイター決勝を経て、「打倒早実」の日々が再び始まった。【和田美保】