甲子園出場で母への恩返しを果たす。第99回全国高校野球神奈川大会(7月8日開幕)の組み合わせ抽選会が10日、横浜市内で行われた。189校が参加する激戦区で、台風の目となりそうなのが今春ベスト4の星槎国際湘南だ。昨夏4回戦進出に貢献したエース本田仁海投手(3年)が、最速146キロ直球を武器にチームをけん引。2回戦(16日、保土ケ谷)で上矢部-厚木の勝者と対戦する。女手一つで育ててくれた母のためにも、甲子園初出場を目指す。

 本田は最後の夏を前に、高らかに宣言した。「1戦1戦倒して、目標である神奈川制覇の夢をかなえたい」。今春の県大会準決勝で敗れた横浜とは、勝ち進めば決勝で戦う。「星槎で甲子園に行って、県外のチームと戦いたい」と頼もしかった。

 中学時代は無名の投手が、プロから注目されるまでに成長した。直球は20キロ近く上がり、最速146キロをマークする。縦横のスライダー、カーブの制球力もある。今春の準々決勝では、昨秋王者の慶応を相手に11奪三振で完投勝利。スタンドの12球団27人のスカウトをうならせた。

 入学時は体重55キロも、毎晩ご飯をどんぶり2~3杯増やして75キロまで増量した。走り込みや、片足ずつ前に出して沈み込む「ランジ」と呼ばれるトレーニングを柔らかいマットの上で行うなど、下半身をいじめ抜いた。