「岩手のドクターK」、千厩(せんまや)のエース右腕千葉英太(3年)が3回戦で姿を消した。

 10三振を奪ったが、5回に暴投きっかけに先制、2点目を許した。「真っすぐを張られたので、変化球を多めに投げた」と言うが制球が甘かった。9回には4安打を浴びて3点を失い、力尽きた。

 2年生だった昨夏は、4試合35回3分の2で60三振を奪った。奪三振率は15・17を残した。今夏も7回コールドの初戦(2回戦)を10奪三振。夏に限れば6試合連続の2桁奪三振の快投だったが、報われなかった。「仲間と最後まで笑って楽しんでやろうと決めていた」と話すと、言葉に詰まった。

 久慈とは昨夏の4回戦で勝利し、延長13回ながら23三振を奪い、岩手大会の1試合最多奪三振記録を35年ぶりに更新した。皮肉にも、久慈が高校最後の相手になった。「負けたけど、今までやってきたことは出せた。いい仲間と野球ができてよかった」と、最後はチームメートに感謝した。