菰野(三重)が5投手による無安打無失点リレー(5回参考)で、08年以来の夏甲子園へ大勝で発進した。プロ注目の最速151キロ、岡林飛翔投手(つばさ=3年)が先発し、1イニングを3者連続空振り三振。13球中、変化球は1球のみ。この日最速は146キロをマークし、常時140キロ超えの直球でねじ伏せた。

 3球団4人のスカウトが見守る中、東海地区屈指の右腕がチームに弾みをつけた。岡林飛は「3人で抑えることを意識した。1度も行けてない甲子園のマウンドに立って投げたい」。打っても大爆発。3回1死二塁の4打席目は左翼席場外へ推定120メートルの高校通算23本目となる2ラン。二塁打、三塁打、本塁打と記録し単打でサイクル安打達成だったが、4回の守備からベンチに下がった。初戦から投打に力を発揮し、29-0の大勝に導いた。

 後を引き継いだ投手陣も盤石だった。3回に岡林飛の弟で1年の岡林勇希投手が最速141キロをマーク。5回には背番号「1」村上健真投手(3年)が締めた。4番手の河内頼投手(2年)が1四球を出したが、実力差がある英心から15アウトを全て三振で奪った。

 戸田直光監督(54)は「先発の岡林飛は落ち着いて投げられた。1年生も夏のマウンドを経験できた。夏の大会は投手が大事」。聖地へ力強く第1歩を踏み出した。【宮崎えり子】

 ◆岡林飛翔 おかばやし・つばさ。1999年(平11)8月9日、三重県松阪市生まれ。徳和小4年から「松阪リトル」で投手で野球を始め、久保中1年まで所属し最終年に全国準V。中2年から「松阪ゼッツ」で全国大会出場。菰野で1年秋にベンチ入り。あこがれは阪神藤川。181センチ、85キロ。右投げ右打ち。