第1シード明桜は6-0で昨年優勝の大曲工を退け、前回優勝の09年以来8年ぶり12度目の決勝進出を決めた。最速145キロの2年生右腕山口航輝が8回を除く毎回の10奪三振で4安打完封。4番打者としても自らソロ本塁打を放つなど、プロ注目の大曲工エース藤井黎来(3年)との投げ合いを制した。

 明桜の山口航が大曲工の「花火打線」を0に封じ、連覇の夢を打ち砕いた。6点リードの最終9回、先頭打者をこの日最速の142キロで右飛に仕留め、続く2番は140キロで10個目の三振に斬り捨てた。終盤3回を3者凡退に抑えた山口航は「楽しむことだけを考えて投げました」と振り返った。

 ノーヒッター大曲工・藤井との投げ合いが注目された。ともに、雨天中止になった22日から中1日でのスライド登板。4番打者としても闘志をむき出しにした山口航は初回裏2死一塁で中越え二塁打。3回裏先頭では左翼芝生席上段に飛び込む豪快アーチを放ち、バットでも完勝した。今春就任の輿石重弘監督(54)は「生徒を信じて最初はやりたいようにやらせた。いい形でゲームをつくれた」と満足の表情。前身の秋田経法大付を含め8年ぶり9度目の優勝に王手をかけた。