激戦の中心はもちろんオレたちだ。第99回全国高校野球選手権大会(7日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われた。史上初の2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭は、第4日第4試合で米子松蔭(鳥取)との初戦対戦が決まった。同日は夏7度優勝の中京大中京(愛知)、甲子園3季連続ベスト4の秀岳館(熊本)など、強豪校がそろった。大注目の日に、偉業への挑戦が始まる。

 偉業を目指す第1歩に、これ以上ない舞台が整った。大阪桐蔭の主将、福井章吾捕手(3年)がクジを引くとき、今春センバツ王者で注目度NO・1らしく、抽選会場はざわついた。初戦は、強豪ずらりの大会第4日の第4試合だ。春夏通算5度の甲子園Vを誇り、今春センバツも制した西谷浩一監督(47)は平常心だが、大観衆が見守る中での一戦となることは必至だ。

 第1試合で広陵と中京大中京、さらに第2試合で甲子園3季連続4強の秀岳館と春夏通算5度Vの横浜が激突。第3試合では名将・高嶋監督率いる智弁和歌山と興南が登場する。これには、西谷監督も「4日目は濃い監督さんも多いので」と笑うしかない。それでも、初戦屈指の好カードが集まり、大勢の来場が予想されることは「満員の中でやらせてもらうのはありがたい」と大歓迎だ。

 どんな状況でも揺らがない自信がある。大阪大会V翌日から、西谷監督は毎日ミーティングで快挙をあえて何度も口にしてきた。「どこも成し遂げていない2度目の春夏連覇を目標としてやってきた。歴史に名を刻めるチャンス。死ぬ気で取りにいこう」。福井主将も毎日ミーティングで口にし、他の選手も「春夏連覇せなあかんな」と口癖のように言い始めた。

 この日行われた甲子園練習で大阪桐蔭は“大トリ”で登場。ノックや打撃練習など、てきぱきとこなし、調整に余念はない。西谷監督も「甲子園練習も終わって、いよいよ戦闘モードに入ったかな」と選手の気合を感じている。

 この日の抽選会終了後、西谷監督は明徳義塾・馬淵監督や智弁和歌山・高嶋監督らと会食。今後当たる可能性のある名将らとの“前哨戦”に挑んだ。史上初の偉業へ、スタートラインはもうすぐだ。【磯綾乃】