第99回全国高校野球選手権大会の開会式リハーサルが6日、甲子園球場で行われた。春夏連覇を目指す大阪桐蔭の藤原恭大外野手(2年)はこの日、中学時代の恩師の勇退を伝え聞き、奮い立った。

 今夏限りで退任を表明した秀岳館の鍛治舎巧監督(66)は「枚方ボーイズ」時代の恩師。中学2年生から2年間指導を受け、当時の練習を「一番しんどかったです」と振り返る。「日本一のセンターがそんなんじゃあかん」と厳しい指導を受けた。

 「日本一のチームを目指していたので、エラーをしたらやり直して、ずっとやっていました」。外野ノックでは左右にふられ、送球ミスなどエラーをすれば何度もやり直し。全身がつり、倒れ込んだことも2回ある。そんな厳しい練習にも耐え抜き、中学2年、3年と2度全国制覇も経験した。

 藤原は「当たりたい気持ちはある」と、恩師が率いる秀岳館との対戦を希望した。夏の甲子園で対戦となれば、成長した姿を見せる絶好の機会になる。今春センバツ準決勝で対戦した際は、5打数無安打2三振と“完敗”。「すごいって思わせられるプレーがしたい」。相手ベンチの鍛治舎監督を驚かせたい。【磯綾乃】