プロ注目の明徳義塾(高知)・西浦颯大外野手(3年)の夏が終わった。

 7回まで3打数無安打に抑えられたが、9回2死二塁から1点を返す中前打を放った。県大会でも打率1割7分6厘と苦しんだ。「苦しい夏だったけど、最後の試合で自分のスイングが出来ました」と前を向いた。

 馬淵史郎監督(61)は幼い頃から憧れだった。「周りが慌てていても冷静」。9回、西浦が適時打を打った時も、恩師は冷静に見えた。試合中、馬淵監督は他の選手に「切り替えていこう!」と声をかける中、西浦にだけ「帰れ!」と厳しい言葉をかけることもあった。「苦しい時も、自分の性格を分かって強めに言ってくれました」。教え子の性格を把握し、成長を願うからこそだった。

 苦しい最後の夏に出た最後のタイムリー。「自分の人生で大きいと思うし、次につながると思う」。卒業後は「指名をいただけるなら、挑戦したい」とプロ志望届を出す方向。次のステージで、お世話になった馬淵監督に恩返しの活躍を見せるつもりだ。