仙台(宮城)の最速144キロ左腕、佐藤隼輔(3年)がプロ志望届を提出せずに、進路を大学進学に一本化したことが8月31日、分かった。今夏の宮城大会準々決勝(仙台三)敗退後、進路について「これから考えようと思います。プロに興味がないわけではない。進学と五分五分です」と話していた。大学4年間をステップに、力をつけてプロ入りする方向にかじをきった模様だ。

 今夏は全5試合に先発し、3戦連続完封を達成した。計41回を1人で投げきり、失点はわずかに4。伸びのある直球と鋭角に曲がるスライダーを駆使して、投球回を優に上回る58個の三振を積み上げた。奪三振率は、驚異的ともいえる12・7をマークした。

 東北の高校生NO・1左腕に、スカウトもマークを続けていた。仙台育英との春の県大会2回戦ではプロ9球団19人が、夏1回戦でも10球団16人のスカウトが集まるほどだった。地元の楽天上岡マネジャーは「体の軸がしっかりしていて、バランスよく投げている。ポテンシャルが高い」と高評価。阪神葛西スカウトも「左でこんなに安定して投げられるのはなかなかいない。好素材ですね」と太鼓判を押していたが、まずは進学の道を選んだ。

 理系の佐藤は約280人いる学年で1桁台の成績を維持する秀才。大学4年間で大きく可能性を伸ばして、夢の世界へ挑戦する。

 ◆佐藤隼輔(さとう・しゅんすけ)2000年(平12)1月3日、山形県生まれ、宮城・仙台市育ち。愛子小4年から野球を始め、投手一筋。同6年からリトルリーグの折立スパローズに所属し、全国選抜大会優勝。広瀬中では軟式野球部で東北大会準優勝し、宮城県選抜。仙台では2年秋からエース。180センチ、77キロ。左投げ左打ち。家族は両親と姉。