黒沢尻工が決勝に進出し、上位3校が出場する東北大会(10月13日~、福島)切符を手にした。84年以来、実に33年ぶり。

 夏の岩手大会準々決勝で敗れた久慈に、逆転でリベンジした。1点を追う2回に同点とし、4回はエース右腕の3番菅原大夢(2年)の3点三塁打など、5本の安打を集中させて一挙5点を勝ち越した。石橋智監督(56)は「前半で左ピッチャーを攻略できた」。久慈のエース左腕中田夢人(2年)を、4回途中でKOできたことを勝因に挙げた。

 1回戦から準決勝まで、4試合を1人で投げ切った菅原は試合終了後、珍しくガッツポーズ。「33年ぶりには知っていた。勝った瞬間、うれしくて」と声を弾ませた。

 強豪私学の花巻東、一関学院、盛岡大付とは別ブロック。石橋監督は「明日、自分たちの本当の力が分かるんじゃないかな」と、花巻東との決勝をにらんだ。公立校の優勝は07年の盛岡四以来、遠ざかっている。「強いチームが来ると(気が)乗るタイプ」と菅原。黒沢尻工が78年のセンバツ出場につなげた、77年以来40年ぶりの県制覇へ24日、挑戦する。