新潟県勢のセンバツ出場が4年連続で厳しくなった。北越(新潟3位)は優勝候補の星稜(石川1位)を相手に、あと1ストライクでゲームセットから2度も追い付く執念を見せたが延長12回、3時間28分の総力戦の末に5-7で敗れた。日本文理(新潟1位)は日本航空石川(石川2位)に1-7で力負け。前日1回戦の福井工大福井戦で右足首を捻挫した投打の中心、鈴木裕太左翼手(2年)の欠場が響いた。ともに石川勢の壁に屈して4強入りを逃し、県勢は出場3校すべて敗退した。

 3度目の同点劇は生まれなかった。北越は2点を追う延長12回裏も2死二、三塁と攻めたが、4番堀口健太捕手(2年)はフルカウントから低めの球を空振り。これで先発全員となるチーム18個目の三振を喫し、秋の戦いを終えた。

 2度の劣勢から追い付いた。3点を追う8回は2死走者なしから、小林健人内野手(1年)が右二塁打で好機をつくり、小川佑、古山雄太の2年生代打コンビがともに適時打を放って1点差に。9回は2死三塁、2ストライクから粘った小林健への7球目が暴投となり、延長戦に持ち込んだ。1点を勝ち越された延長11回も、2死走者なしから3連打。小林健がフルカウントから同点の適時二塁打を放ち、なお2死一、三塁のサヨナラ機で攻めた。

 小島清監督(42)は「可能性を見せてくれたのは収穫。粘り強さが出てきた」と褒めつつ、「よく食らい付いたけど、勝たせてもらえなかった」と笑顔はなかった。15安打に8四死球と、星稜の25人(19安打6四死球)に匹敵する23人が出塁しながら、17残塁の山。走者を置いて空振り三振で終えたイニングを8回数えるなど、アウトの半分が三振だった。星野悠主将(2年)は「低めのボール球に手を出した。変化球にも精度があり、カウント球を引き出せなかった」と、選球を徹底できなかった。

 それでも、春の北信越王者で、2年後のドラフト候補生を擁する強豪にも1歩も引かなかった。星稜のエース奥川恭伸と山瀬慎之助捕手の1年生バッテリーは、新潟で開催された昨年の全国中学軟式野球大会を制した宇ノ木中(石川)からのコンビ。序盤に1点を返し、4回でこの日142キロを計測した奥川を引きずり降ろした。ベンチも総力戦で、4番手で準備した小林稜投手(2年)を除けば、18人中17人が出場。小島監督は「まだ総合的には力が足りていない。こういう試合でも星稜との力の差は感じた」と惜敗を糧に、甲子園への挑戦を続ける。【中島正好】