法隆寺国際(奈良3位)の木下和真捕手(2年)が気合でチームを引っ張った。3回の守備中。2番打者が打ち上げた後方への打球を捕ろうと、木下はフェンスに頭から突っ込んだ。地面に倒れ込み、試合は一時中断。ベンチへ1度下がったが、14分の中断を経て再びキャッチャーマスクを被った。

 木下はあごを打撲し、左手首を痛め、裂傷の右手首にはテーピング。激突の瞬間は「ネットが見えなくて」と満身創痍(そうい)の中で試合終了までグラウンドに立った。チームは比叡山(滋賀2位)に9-0で7回コールド勝ちした。

 7回3安打無失点に抑えた先発の柚留木(ゆるき)優太投手(2年)も木下のフェンス激突には驚きを隠せなかった。それでも「けがをした瞬間は焦ったけど、最後まで頑張ってくれて期待に応えられた。周りが不安になるので、堂々としていないと、と思った」と女房役の気合に気合で応えた。