中越が長岡大手との打撃戦を制し、17-9で7回コールド勝ちし、準決勝に駒を進めた。20安打を放った打線の中で、5番の安達大和内野手(3年)が公式戦1号、2号となる2打席連続本塁打と大爆発した。2回と4回。ともに左翼への2ラン本塁打で打線をけん引した。

 鋭い一撃で打球は2度、左翼フェンスを越えた。中越の5番安達が2打席連続で2ランを放った。「ボールに対して最短でバットを出して振り抜く」。公式戦初本塁打は2回に飛び出した。打者一巡の攻撃でこの回2度目の打席は2死一塁。第1打席で左前打を放っており、イニング2安打目だった。2号は4回無死二塁、第3打席での1発。5日の4回戦・村上桜ケ丘戦では3番坂井翔太内野手(3年)が2本、2番長岡真男外野手(同)が1本と本塁打を量産。「“オレも”と力んでしまった」と前日は単打1本も、この日は自分の打撃を取り戻し、4強入りの原動力となった。

 本田仁哉監督(41)は「試合の大きな動きに惑わされず、主軸が集中して打ち続けてくれた」と選手名を挙げ17得点での7回コールドを振り返った。「特に」と強調したのが安達の名前だ。「頼もしかった。大きく見えた」。昨秋県大会までベンチ外。北信越大会から背番号15で試合出場した“遅咲き”の大暴れに「激しい競争の中で強いチームができる。いい選手が出てきて、いい方向に向かっている」と満足げだった。

 冬場はティー打撃に励んだ。「強く振り込んで満足するまで続けた」という練習には高野海輝外野手(3年)がいつもつき合ってくれた。安達の打撃フォームを知り尽くす高野から大会序盤に「タイミングを取るのが遅れている」のアドバイスを受け、修正していた。関根学園との準決勝は12日。安達は「いい感じ」になったという打力を準決勝でも発揮する覚悟だった。【涌井幹雄】