4地区で代表決定戦が行われ、旭川地区では富良野が昨秋全道8強の旭川龍谷を5-2で下し、春は49年ぶりの全道大会出場を決めた。最速143キロのエース右腕、鵜沼巧(3年)が7安打13奪三振。3試合連続完投で計26回投げきり、チームをけん引した。

 イメージ通り締めた。9回2死一、二塁、2ストライクからの3球目、外角ぎりぎりの直球で13個目の三振を奪い、春は準優勝した69年以来の全道切符をもたらした。3戦で計31奪三振。「試合前夜はリードして9回2死の状況をイメージをして寝る。昨夜は、追い込んで外の球で抑える流れを考えた」と、昨秋始めたルーティンを、勝負どころで生かした。

 屋内練習場がなく、冬場の投げ込みはセーフティーボールと呼ばれる軟らかい球を週1回体育館で約40分投げるだけ。「ほとんど筋力トレとランニングでした」と言う。自宅付近の雪道での4キロ走でスタミナをつけ、筋力トレーニングでは太もも裏を重点的に鍛えた。この日の最速は142キロ。144球投げきっても「疲れはない」と平然とこたえた。

 1年秋の全道は背番号18でベンチ入りも、登板はなかった。「円山で投げるのが楽しみ。強いところと対戦して夏につなげたい」。3戦398球を投げ抜いた鉄腕が、強豪ひしめく全道に挑む。【永野高輔】